米国マネタリーベース動向(9月)

QE3の実施後、半月を経過したが、9月の米国マネタリーベースは増加傾向ではなかった。


むしろ、前年同月比は-1.6%で前月より若干低下した。
しかし、QE3による増加はいずれ現れる。そこから金融相場が再スタートを切るだろう。

QE3はMBSに焦点を絞っているので、住宅販売動向、 住宅価格動向に効果が現れるのか注目である。

住宅販売、住宅価格にプラスの影響が出てくると、金融機関の抱える不良債権が減少することになる。そうなると、バランスシート不況の調整が進み、経済の正常化が早まる。

ただし、QE3には副作用があり、プラス効果が出る前に副作用が大きく出てくることも考えておかねばならない。両方のシナリオを考えたポートフォリオにしておくべきだ。

日本のマネタリーベース動向(9月)

9月の日本のマネタリーベースが日銀から 発表されました。前年比9.0%増加の124兆円でした。 前年比はやや前月よりUPしました。

しかし、米国がQE3を開始したため、 ドルの通貨供給量に比べると増加ペースが低いです。

予想通り、日銀はあまり動かないよう です。今後は、ドル安による円高が進むと 見ています。経団連は円高対策を要望していますが、 旧型産業の意見ばかりなので、個人的には あまり重視していません。

実際、高付加価値品で他社で生産できない 製品は円高でも国内生産を続けることが 可能です。部品、素材、製造設備などの資本財は日本に生産が集中しています。大震災による 世界的な混乱で、それが明確になりました。

これらの製品は競争力が高く、容易にコピー できません。周辺産業の蓄積が必要なため、 国内で生産が有利です。したがって、日銀が動かずとも、民間企業の努力で、円高を克服することはある程度可能と思います。

しかし、電力制限と電力料金上昇はダメージ として響きそうです。電力がなければ、製造設備を稼働できず、 ICT機器での仕事もできません。立ち上がりつつあるクラウドサービスも 制約を受けます。
コマツは自前で発電設備を導入したよう ですが、全ての企業が見習うのは無理 でしょう。

「電力の立て直しが急務」

痛切に感じます。