日本のマネタリーベース動向(9月)

9月の日本のマネタリーベースが日銀から 発表されました。前年比9.0%増加の124兆円でした。 前年比はやや前月よりUPしました。

しかし、米国がQE3を開始したため、 ドルの通貨供給量に比べると増加ペースが低いです。

予想通り、日銀はあまり動かないよう です。今後は、ドル安による円高が進むと 見ています。経団連は円高対策を要望していますが、 旧型産業の意見ばかりなので、個人的には あまり重視していません。

実際、高付加価値品で他社で生産できない 製品は円高でも国内生産を続けることが 可能です。部品、素材、製造設備などの資本財は日本に生産が集中しています。大震災による 世界的な混乱で、それが明確になりました。

これらの製品は競争力が高く、容易にコピー できません。周辺産業の蓄積が必要なため、 国内で生産が有利です。したがって、日銀が動かずとも、民間企業の努力で、円高を克服することはある程度可能と思います。

しかし、電力制限と電力料金上昇はダメージ として響きそうです。電力がなければ、製造設備を稼働できず、 ICT機器での仕事もできません。立ち上がりつつあるクラウドサービスも 制約を受けます。
コマツは自前で発電設備を導入したよう ですが、全ての企業が見習うのは無理 でしょう。

「電力の立て直しが急務」

痛切に感じます。