単利と複利について

今更といわれそうですが、単利と複利について取り上げます。
預金の利息などは複利です。毎年、付いた利子を元本に組み入れ、翌年は

●新元本=前年元本+前年利子

となります。 複利運用が「お金がお金を生む仕組み」と言われる所以です。
一方、単利は債券金利などがそうです。毎年、利払いが行われて元本に組み入れられることはありません。そのため、

●新元本=前年元本

と元本は増えません。
さて、そこで問題です。 100万円を単利2%と複利2%で20年間運用した場合、結果はどうなるでしょうか?

●単利2%で20年・・・・140万円  複利2%で20年・・・・148万円(1.05倍)

結果は複利が少し多いです。これが30年間だと、

●単利2%で30年・・・160万円  複利2%で30年・・・181万円(1.13倍)

差が開きます。これが5%だとどうなるか?

●単利5%で20年・・・・200万円  複利5%で20年・・・・265万円(1.32倍)

2%の時よりも差がつきます。 そして30年間だと、

●単利5%で30年・・・250万円  複利5%で30年・・・432万円(1.72倍)

更に拡大します。 単利と複利は期間が長くなるほど、そして、運用利回りが高くなるほど大きな差がつくのです。

資産形成は一時的なものではありません。長い時間をかけて行う事です。したがって、複利運用は必須です。日常使うお金ときっちり分けて資産形成専用のお金にしましょう。

意識的に行わないと、増えた分を少し使いってしまうことがあります。そうすると、単利運用していることと同じになり、10年後、20年後に大きな差となって帰ってきます。

運用技術は努力していけば上達します。そうなると、平均運用利回りは上昇します。そうなると、複利の効果で資産形成のスピードはアップするのです。

複利で運用による資産形成のグラフを示しておきます。

10%単利運用は6%複利運用に18年目に追いつかれます。 利回りは常識的な事ですが、実際にこの結果を目にすると、びっくりしますね。

 

日本の雇用状況について

昨日は米国の雇用状況を調べたので、今日は日本の雇用状況について調べました。米国と違い、日本はリーマンショック直後はあまり落ち込んでいません。

しかし、米国は落ち込みの半分まで回復が続いているのに対し、日本は横ばいです。米国の雇用流動性が高く、日本は硬直的なことが影響しているようです。。

日本は企業が正規社員を抱え込んでいるため、企業内の潜在失業者を含めると、このデータより悪い可能性があります。

米国は金融と家計のダメージ克服には、まだまだ時間がかかりそうです。しかし、ドル安と電力コストの低下で製造業復活などのプラス要因が出てきました。

一方、日本の場合は、輸出企業による製造拠点の海外シフト、内需企業による海外展開などが進行しています。回復の要素が見えません。

原因は国内の需要減少で市場が縮小しているため、それに合わせて供給力を削減しているためです。外需も内需も同じ感じですね。

需要を拡大する政策が必要なのだと思います。 需要が拡大すると、供給拡大で、雇用も増加に転じる可能性が出てくると考えています。

米国の雇用は回復基調

先週、米国の雇用増加数が市場予想より 少なく、マーケットはネガティブに反応し、
QE3実施の理由にもあげられました。

本当にそれほど深刻な状況なのでしょうか?
失業率は8.2%と通常の不況時より高く、 雇用の増加ペースはここ数カ月は鈍って います。しかし、民間部門の米国雇用の状況を見て みると、一貫して回復基調が続いています。

現在は、半分程度まで回復しでいます。 あと3,4年で元の水準に戻りそうな感じ です。
一方、政府部門の雇用は減少傾向です。

米国は

●民間が回復半ば
●政府は財政削減中

というのが正確な認識だと思います。

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このまま米国経済はリーマンショック前の 状態まで回復するのでしょうか?
鍵を握るのは、大統領選挙でしょう。

オバマ政権は民主党政権なので、財政支出を 増加させ、民間部門の落ち込みを補う政策を 進めようとしていました。

しかし、議会多数派の共和党が財政再建を 進めるように主張し、オバマ政権の法案が 成立しません。

結局、財政再建路線をしぶしぶ進めている 状況です。
オバマ再選なら、共和党に配慮しつつも、 最低限の財政支援を続けるでしょう。
その 結果、回復基調は継続すると思います。

しかし、政権が共和党に交代すると、政策が 大幅に変更されます。一気に財政再建へ舵が 切られる可能性があります。

金融緩和派のバーナンキ議長を再任せず、 金融引締め派のFRB議長になる可能性が
あります。

民間部門が回復半ばで、金融と財政が共に 引締めとなると、米国経済がデフレ危機に
落ち込む恐れがあります。

民主党オバマ再選か、共和党ロムニーへ 交代かは非常に重要です。

米国経済がデフレに沈めば、日本も引きずり 込まれるのはリーマンショックの時に経験
済みです。

我々にとっても11月初めの大統領選挙は 重要だということです。
結果によっては、 第三の危機に備える必要があります。
QE3実施は、第三の危機をを避けるため だったのだと思います。