米国の在庫循環モメンタム(1月)データ更新のお知らせ

米国の在庫循環モメンタム関係のデータを更新しましたのでお知らせいたします。
●定点観測
●フォローアップ・米国経済

総合の在庫循環モメンタムは1月も横這いが続いています。上昇が非常に弱いです。
ピークが2010年春で、ボトムが2012年の春ですが、その後、在庫循環モメンタムが立ち
上がって来ないです。

ボトムから半年以上経過しているので、もっと水準が上がっているはずですが、そうならず、
非常に緩慢な上昇です。バブル崩壊のダメージが響いています。

CPIコアコアではまだデフレ

CPI(消費者物価指数)2013年1月が総務省から 3/1公表されました。

CPI総合          :前年同月比0.3%下落
CPIコア 生鮮食品除く :前年同月比0.2%下落
CPIコアコア 酒類以外の食品とエネルギー除く :前年同月比0.7%下落

でした。コアコアCPI が前年同月比マイナスとなっており、デフレが継続していることが
判ります。

日銀が金融緩和強化を宣言したのは去年の2月中旬ですが、 実際にマネタリーベースが
前年同月比プラスになった のは去年の5月です。

そこから8カ月しか経過していないため、デフレ脱却に 至っていないのは仕方がない
ところでしょう。通常、1~2年程度のタイム ラグがありますから。
おそらく、今年の夏以降からプラスに転じると見ています。

次期日銀総裁候補の黒田氏は更に金融緩和を強化すると言って います。実際に行動が
伴うならば、来年後半にデフレ脱却する可能性があるでしょう。

ただし、金融緩和のみでコアコアCPIはなかなか上昇しないでしょう。実体経済にマネーが
浸透せず過剰流動性を引き起こすからです。

金融緩和とともに実体経済にマネーが回っていくような工夫が必要です。

シナリオとしていくつかのケースを考えて対応を考えておくべきだと思います。

1)CPIコアコアを上昇させることができず、過剰流動性による商品インフレを引き起こす
2)デフレ脱却に成功してCPIコアコア2%上昇を達成する
3)デフレ脱却は成功してCPIコアコア2%上昇を達成するが、やりすぎて過剰流動性
による商品インフレが発生する

財政出動がうまくいかずに緩和マネーが金融市場で悪影響を及ぼすのがケース1、
財政出動もうまくいって実体経済に緩和マネーが回っていくのがケース2、
財政出動はうまくいったが、匙加減をうまく調節できず、やりすぎるのがケース3
という想定です。

北米BBレシオ(2013年1月)について

先週末に北米半導体製造装置BBレシオ(1月)が発表されました。
集計から抜けている装置メーカーもあるため、正確性にやや問題があるものの
半導体製造装置業界の動向を見るのに参考となる指標です。

1月は前月の0.92から一気に上昇して1.14でした。
2011年秋からブレが激しいので、平均化してみると、2011年末から2012年初に
底打ちして上昇してきました。現在は、上昇後1年を経過し、水準が高くなった
ことから、後半戦に入ったと見るべきだと思います。

BBレシオのピークアウトを考慮すると、半導体関連の配分を下げていくべきだ
と思います。

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