米国長期金利データを更新しました。

米国長期金利は4月以降上昇し、米国債価格は下落しました。
特にバーナンキショックで急上昇しました。そのため、住宅販売の
一部に影響が出ました。

直近では戻していますが、今後はQE出口が意識し、次第に
長期金利の上昇することになりそうです。

ただし、米国経済の回復が本物になるまでは日本のケースと
同じように低金利状態が継続する(横這い)可能性もあると
思います。

ライツ・オファリングについて

Jトラストが1,000億円の大型ライツ オファリングを実施して注目を集めています。
ライツ・オファリングはカタカナ用語で判り にくいですが、

「新株予約権を使った株主割当増資(有償)」

です。通常の新株発行増資は、株主かどうかは関係なく、申し込みに当たらないと
新株を買えません。せっかく株主として企業に資金提供をしているのにも関わらず、
外れると新株を発行価格では買えません。市場で株を買い増ししなければ価値の
希薄化を被ります。

その点、株主割当増資は株主に配慮した増資 です。株主は有償ですが増資に
応じることができるので、希薄化を避けられます。

ライツ・オファリングの場合、新株予約権を無償でもらえるため、増資に応じる
資金的な余裕がない場合は予約権を売却して投資資金の一部を回収し、
増資による希薄化を緩和できます。

通常、新株は割安な価格で発行されます。 私には、株主割当増資には応じるのが
得という 感覚があります。
勿論、後ろ向きの増資はダメです。 一方、前向きな増資では、企業の成長に
伴って株価が上昇する可能性があります。成長が期待できる企業の株を割安で
買えるので得というわけです。

新株が発行されると需給の悪化で短期的に下げる ことがあります。
希薄化するということと、新株を取得した投資家が売却することがある
からです。

しかしこれは成長株を安く買うチャンスでもあります。そこで、資金的に
余裕がある場合は、増資を取り、更に下げたところを買うという選択肢は
十分に検討の余地があると思います。

ライツ・オファリングについては、

・増資した資金を有効に生かすことができるのか?
・新株発行価格が妥当な価格か?  (割高はダメ)
・リスクに応じたリターンをどう評価するか?
・自分のポートフォリオの配分内に収まるか?

といった点を検討して対応すべきでしょう。

先日、Jトラストの株主向け説明会に参加 しました。この会社のビジネスモデルは
難しく プロ向きの銘柄です。てっきり、投資のプロが沢山いるかと思って いました。
しかし、極めて雑多な人が聞きに来ていました。 中には、配当増額を要求する
株主がいたのには驚きました。

ライツオファリングを 実施して事業拡大を図るほど資金需要があるということは、
成長ステージに ある企業ということです。そいう企業は下手に配当するより
その資金を活用して事業を拡大 させ、成長を図る方が株主にとってはるかに
良いはずです。

そういう状況を理解していない人がここに投資しているのは驚きです。
最近の株価上昇に釣られて買ったのかもしれません。事業モデル、企業価値を
理解していない人がかなりいるように感じました。

そういう状況で、大型ライツ・オファリングを実施することは大変です。
もっとも成否のカギは個人投資家ではなく、 機関投資家がどれだけ応じるかでしょう。

8割以上が増資に応じれば800億円以上の資金が手に入ります。6割はJトラスト
関係者(社長と取引関係のある地銀等)なので、残り2割を上積みできれば、この
ファイナンスは成功だと思います。機関投資家の過半数が応じればこの数字は
達成できるはずです。その資金をどう活用するのか興味があります。

【ご注意】
この投稿はJトラスト株の売買を勧めているものではありません。
実際に投資する場合は、自己責任において行ってください。

欧州経済情報更新のお知らせ

欧州のベースマネー、信用乗数、鉱工業生産指数、長期金利、失業率の各データを
更新しましたので、お知らせいたします。
欧州は長期金利が低下し、財務危機が小康状態にあり、鉱工業生産指数も改善しました。
しかし、失業率が非常に高い状態が続いており、危機的状況は続いています。

ここまではギリシャ国債、イタリア国債などが大幅に上昇しましたが、いずれ利食いが
始まる可能性があり、そうなると財務危機の再燃があると思います。